2012年6月8日金曜日

葬儀に関することを遺言書に書く人もいるが

遺言を書く高齢者が増えている。ただ、間違った書き方をして、かえって親族間のトラブルのもとになる場合もある。専門家は「遺言の役割を理解し、正しく作成したものを残しましょう」と話す。

横浜市の葬儀会社が8月に開催した「遺言書作成セミナー」。定員30人のところ200人が申し込む盛況ぶりで、中高年の男女が、自筆で書く遺言「自筆証書遺言」の書き方を学んだ。参加者の60歳代の男性は「要領がつかめました。自分で書いてみてから、プロの人に見てもらおうかと考えています」と話していた。

セミナーの講師を務めた司法書士の大橋恵子さんは、「自筆証書遺言は、費用がかからず、作成から保管まで自分一人ででき、いつでも書き換えられます。こうした手軽さから、書いてみたいという人が増えています」と話す。
遺言を書く書かないは本人の自由だが、大橋さんは「子どものいない夫婦は、書いておくことを勧めます」と話す。子どもがおらず、夫の両親もすでに死亡している場合、夫が亡くなったとき、夫の兄弟姉妹にも法定相続分が認められるからだ。

ただし、遺言で妻に全財産を残すことができる。遺言がないために、残された妻と、普段付き合いのない夫の兄弟姉妹の間でトラブルになることがよくあるという。

自筆証書遺言の作成は、

①全文自署であること(ワープロはダメ)

②氏名の記載

③日付の記載

④押印

が必要だ。この形式が整っていないと無効になってしまう。また、「付言事項」として、遺言の内容についての説明を書くことができる。書き上げたら封をして、遺言書在中と書き、封に割り印をして、しまっておく。

葬儀に関することを遺言書に書く人もいるが、葬儀前に開封されることはまずないため、葬儀については遺言書ではなく別の書類に書いておいた方がいい。