ならば定数削減法案は、そんなに大事な法案なのか? そもそもリストラをうんぬんするくらいなら、二十人の定数削減でいくら金が節約できるのか、最初に計算してみる必要があろう。元朝日新聞編集委員で、政界事情に明るい石川真澄・新潟国際情報大学教授によると、国会議員一人当たりの直接経費は、一般に年間約七千万円といわれている。二十人なら、十四億円だ。二〇〇〇年度一般会計予算案の十万分の一・六にしかならない。ごくちっぽけな金額である。リストラの効果は知れている。同教授は、こう言っている。
「共産党が受け取りを拒否している政党助成金でも、二十八億円を超えます。そのお金は実質的に他の政党が山分けしている。全額を国庫に入れるだけでも、定数削減の倍の効果がある」(『週刊朝日』二〇〇〇年二月十八日号)
二十人の定数削減が、金銭的にたいしたリストラにならないことは、小渕首相も青木官房長官も、百も承知のうえだった。この二人がいちばん恐れたのは、法案の「冒頭処理」の約束を反故にしたら、自由党が「約束違反だ」として連立政権を離脱、小渕内閣が崩壊することだった。自由党を無理矢理連立政権に引き留めるためには、どうしても通常国会開会直後に法案を一気にあげるしか選択肢はなかったのだ。
こうして始まった定数削減法案の採決をめぐる与野党の攻防は、当時の新聞報道を総合すると、ほぼ次のような切羽つまっだものであった。最初の山場は、一月二十六日にきた。与党側は野党の反対を押し切って、まず衆院倫理・公職選挙法特別委員会で、法案の趣旨説明に続いて審議入りを強行。与野党間の調整に乗り出そうとした伊藤宗一郎衆院議長の「裁定」を無視して、与党だけの形式的な審議ののちいきなり採決を行った。
第二の山場となった二十七日は、官邸が前面に立って、正面から強行突破を図った。青木官房長官は国会に乗り込み、伊藤議長を電話に呼び出して、本会議開会のベルを押すよう強要。森幹事長に「議長のところへ行って勝負すべきだ」と迫った。青木長官に尻を叩かれて、議長室に駆け込んだ森幹事長は、「議長が本会議開会のベルを押さなければ、小沢自由党党首はきょうにも連立離脱を表明、自白公の枠組みが崩れる」と、泣きついた。
法案が二十七日、衆院本会議で与党三党によって単独強行採決され、参院に送付されると、官邸による議会介入は、一段とエスカレートした。翌二十八日、青木官房長官は斎藤十朗参院議長に電話をかけ、「冒頭処理は二月二日までのことだ」と猛烈な圧力をかけ、参院本会議を二日に開会させた。国会法を悪用して、地方行政・警察委員会の採決を省略したのだ。そして、本会議に中間報告を求める動議を提出して、突然強硬採決を図った。
同委員会の和田洋子委員長(民主党)は中間報告の中で、「このような行為は憲政史上かつてなく、参議院にとって大きな悪例として、汚点を残す以外のなにものでもない」と嘆いたが、後の祭りであった。こうして、定数削減法案は青木官房長官の思惑通り、二月二日の参院本会議で、オール野党欠席のまま可決、成立を見た。
連立政権維持という党利党略のため、国会法は破る。行政府が公然と立法府へ圧力をかけて、三権分立の原則を平然と犯す。これ以上露骨な官邸による議会介入はあるまい。定数削減法案の「冒頭処理」を強行した小渕連立内閣と自自公三党の暴挙は、まさに議会制民主主義の破壊そのものであった。
2014年12月13日土曜日
熱帯雨林の役割
人類が活動を始める前には、地球Lの陸地面積の半分近く、約六〇〇〇万平方キロメートルが森林におおわれていたといわれています。現在、森林は約二○○万平方キロメートルと推計されていますから、半分近くにまで減ってしまったわけです。森林の消滅は第二次回界大戦後、とくにこの一〇年問、目立ちます。その人部分は熱帯林です。熱帯林は年平均一七万平方キロメートルの割合で消滅していると推計されています。日本の国土面積の約半分です。
一口に森林といっても、数多くの種類と形態があります。樹木の種類によって、広葉樹林、針葉樹林、竹林などに分けられたり、雨林、常緑季節林、落葉季節林などと呼ばれたりすることもあります。森林はまた、密生林、疎生林に分けられます。密生林というのは、樹冠(木の梢)がびっしり重なって、上からみるとすき間なく緑のじゅうたんを敷いたようになっている森林を指します。疎生林は、樹冠は連続していないが、少なくとも林地面積の一○%を占めていて、草地が連続的に林地をおおっているような森林を指します。人工林、休閑林地、濯木林なども森林に含まれます。
地球温暖化との関連で重要な役割をはたすのは熱帯雨林です。熱帯雨林は、年中を通じて雨の多い熱帯にある密生林を総称したものですが、地域によってさまざまな種類をもち、多様な形態をとっています。世界の熱帯林ニ○○○万平方キロメートルのうち、熱帯雨林は一ニ○○万平方キロメートルを占めています。このように、面積からみると、熱帯雨林は世界の森林のほぼ三分の一ですが、植物体の量でみると、熱帯雨林の占める割合ははるかに大きなものになります。
一般に、地表上にある生物体の量を、乾燥収量ではかってバイオマスとよびます。地球全体のバイオマスは現在約一兆ニ〇〇〇億トンと推計されています。人類が活躍する前には約一兆四〇○○億トンあったといわれていますから、約半分に減ってしまったことになります。地球上のバイオマス全体のうち、森林のバイオマスは約九〇パーセントを占め、熱帯林のバイオマスはその半分を占めるといわれています。
このように森林のバイオマスが巨大な量に上っているのは、樹木は何十年、何百年、ときには何千年も生きつづけて、植物体をつくるからです。樹木が成長するのは、一枚一枚の葉がせっせと光合成をおこなって有機物を生産しているからです。一枚一枚の葉には、多数の気孔があり、葉緑素がたくさん含まれていてさかんに光合成をおこなっています。光合成というのは、太陽の光エネルギーを利用して、大気中の二酸化炭素と水を合成して、炭水化物有機物をつくり、同時に酸素を放出することです。生命体を形づくっているのは有機物ですが、植物の光合成を通じてはじめて地球上の生命体が命を保つことができるのです。
一口に森林といっても、数多くの種類と形態があります。樹木の種類によって、広葉樹林、針葉樹林、竹林などに分けられたり、雨林、常緑季節林、落葉季節林などと呼ばれたりすることもあります。森林はまた、密生林、疎生林に分けられます。密生林というのは、樹冠(木の梢)がびっしり重なって、上からみるとすき間なく緑のじゅうたんを敷いたようになっている森林を指します。疎生林は、樹冠は連続していないが、少なくとも林地面積の一○%を占めていて、草地が連続的に林地をおおっているような森林を指します。人工林、休閑林地、濯木林なども森林に含まれます。
地球温暖化との関連で重要な役割をはたすのは熱帯雨林です。熱帯雨林は、年中を通じて雨の多い熱帯にある密生林を総称したものですが、地域によってさまざまな種類をもち、多様な形態をとっています。世界の熱帯林ニ○○○万平方キロメートルのうち、熱帯雨林は一ニ○○万平方キロメートルを占めています。このように、面積からみると、熱帯雨林は世界の森林のほぼ三分の一ですが、植物体の量でみると、熱帯雨林の占める割合ははるかに大きなものになります。
一般に、地表上にある生物体の量を、乾燥収量ではかってバイオマスとよびます。地球全体のバイオマスは現在約一兆ニ〇〇〇億トンと推計されています。人類が活躍する前には約一兆四〇○○億トンあったといわれていますから、約半分に減ってしまったことになります。地球上のバイオマス全体のうち、森林のバイオマスは約九〇パーセントを占め、熱帯林のバイオマスはその半分を占めるといわれています。
このように森林のバイオマスが巨大な量に上っているのは、樹木は何十年、何百年、ときには何千年も生きつづけて、植物体をつくるからです。樹木が成長するのは、一枚一枚の葉がせっせと光合成をおこなって有機物を生産しているからです。一枚一枚の葉には、多数の気孔があり、葉緑素がたくさん含まれていてさかんに光合成をおこなっています。光合成というのは、太陽の光エネルギーを利用して、大気中の二酸化炭素と水を合成して、炭水化物有機物をつくり、同時に酸素を放出することです。生命体を形づくっているのは有機物ですが、植物の光合成を通じてはじめて地球上の生命体が命を保つことができるのです。
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