2015年5月18日月曜日

文章力でビジネスマンの資質は決まる

交渉力・提案力は、裏を返せば論理的な理解力と表現力である。論理の塊であるコンピュータの世界に身を置くSEは心がけしだいで身につけることができるはずだ。まずは人を好きになることだろう。相手に理解してもらおうという真摯な気持ちさえあれば、もともと技術的背景はあるのだから、説得は容易なはずである。

次に文章力である。これも苦手なSEが多い。プログラムを組ませたら一流の腕でも、企画書や提案書を書かせたらどうしようもないヶIスがほとんどである。誤字脱字は論外、文法ミス、文章の論理的構成力不足などあげたらきりがない。わたしの経験でも、ビジネスレターひとつ満足に書けないSEが大勢存在した。過去はそれで通用したかもしれないが、これからはそうはいかない。

これも先ほどの交渉力・提案力と同じことが言える。昔のSEは、企業の前線部門とは分離され、完全に後方支援のような存在だったから、文章力は要求されなかった。確かな技術で品質のよいモノを作ってさえいればそれでよかったのだ。だが、いまや前線と後方支援の垣根は取り払われ、SEも最前線に出ていかなければならない時代だ。そうなると、当然文章力が問われるようになる。

ビジネスマンはある意味、言葉で勝負していると言ってもよい。□で話す百葉と文章にする言葉の二つである。この二つを有効活用できるビジネスマンが優秀と見なされる。話し言葉は、交渉と提案(プレゼンテーション)能力に活かされる。文章の言葉は、企画書、社内報告書、顧客とのやりとりで活かされる。逆に言えば、口下手で文章が書けないビジネスマンにとっては生き抜くのがむずかしい時代なのである。

SEは、まさにそんなビジネスマンの代表格たった。だが、それを改めなければ「勝ち組SE」には入れない。これからのSEは、徹底的に文章力を鍛えてほしい。具体的にどうやったらよいかといえば、いちばん簡単なのはほかの優れた文章をまねることである。職場を見渡せば、上司や先輩に文章の達者な人が必ずいるはずだ。その人の文章を徹底的にまねるのである。これはわたしの経験から話している。文章は教わるものではない、盗むものだからだ。